2012年2月18日土曜日

鬼に訊け

北国での展示会を終えて帰京いたしました。
ちょっと思うところあって、慌ただしい中、渋谷の「ユーロスペース」という映画館のモーニングショーでしかやっていない「鬼に訊け」宮大工西岡常一の遺言を見て来ました。ソメリエにとってその内容に目新しいことはないのですが、西岡棟梁の生前の姿を見られる貴重な映像なので、やはり見てみたかったのです。映画としての紹介はこんな感じですが、自分ではあまり言葉で語りたくない、と言ってしまいます。人によるでしょうが涙が止まりませんでした。
早朝にもかかわらず満員で立ち見が出る日もあるようです。終映後の拍手が続く日もあるそうです。
西岡棟梁が死んだとき、全国から集まった様々な棟梁たちが男泣きに泣いたそうです。
映画ということからするとなかなか上映は難しいかもしれませんが勿体ないことです。取るに足らないような映画が全国各地でロングランしているなかでなんとかならないものかと・・・。
埼玉の川越スカラ座でも月末からやるようです。
墨ツボを持っていくと安くなるという「大工割り」というのがあるそうで、「しまった!わたくしも素人なのに持っていたのに」。あとの祭りでした。

さて己の領域で頑張らねばなりません。
此の冬の辻が花のコーディネイトからひとつ紹介させていただきます。(上の写真)
そして久々に「辻が花」柄のストールを染めてみました。
もうじきお雛祭り、お雛様の帯です。所謂「手描き友禅」の技法でソメリエとしてはオーソドックスな一品です。

北陸の展示会からの帰りの車中より。
白地辻が花の帯
更紗の帯
雪をかぶった染め場の姿です。

この山に関わって20年になりますが、此の冬が一番の寒さだと思います。染め物の下地としてふのりの液を引き染めする「地入れ」ということをするのですが、引いた先から氷になっていくこともありました。
もう少しの辛抱ですね。


こちら辻が花のブログ  

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