2011年12月30日金曜日

更紗の帯 2011


長い長いそしてあっと言う間の一年が終わろうとしています。忙しさにかまけて地震とそして原発のことを深く受け止めないでやり過ごしてきたような感覚が、何か後ろめたさを呼び起こします。
1000年に一度でも降り掛かるかわからないというような天変地異がすぐ間近を通り過ぎたというのに、わたしどものこのしぶとさといいますか、鈍感さといいますか、したたかなありようはどんなものなのでしょう。
そんな感じに時々畏れおののく時があった年でした。

富士もこんな姿は300歳とちょっと、その前の姿は一万年くらい、そして御年となると10万歳位と言いますから、
週刊誌が「富士は本当に噴火するのか?」なんて、まるで死人であるかのような前提で煽ることのばかばかしさが身に沁みますね。そんなことは分かりっこないし、分かったところで逃げるしかないし。
そして大自然の前では箱庭のような我が山の工房も12月の半ばまで紅葉が残り、ここへ来て漸く冬支度。
猿の群れが何度かやって来て、折角実りが近いダイコンやら蕪やらを「遊び」で引っこ抜きまくってしまいました。

さて「辻が花」は年間通して染め続けました。

そしてギャラクシー、銀河の帯も嫁いで行きました。
来年が落ち着いた良い年でありますよう。
この一年、本当にお世話になりました。
ありがとうございました。



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2011年12月2日金曜日

カピバラ

今年の展示会ツアーが終了いたしました。
ソメリエもこんな風に脱力してユルユルの日々を少しだけでも味わいたいのですが、そうはいきませぬ。
注文いただいたものを一日でも早くお客様にお届け出来るようこれからフルスロットルです。

信州アルプスの初冬の風景です。
11月というのに雨がちで西多摩の染め場はこんな幻想的なお姿に。
こんな風に染めています。

今年お求め頂いた中からいくつか素敵なコーディネイトを
ご紹介させていただきます。

シルクギヤラリーの絞りの薔薇模様の付け下げに、わたしが染めて猪上雅也さんに刺繍してもらった薔薇の帯を合わせてみました。
帯締めも当方の染めです
江戸小紋にぴったり
辻が花をアレンジした紋意匠生地を作ってみました。
小紋にも合わせられます


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2011年11月5日土曜日

うり坊 カメムシ

「暑さ寒さも彼岸まで」なんて毎年言ってますが、
今年も10月だというのになんという有様、というような「熱い!!」日が何回もありました。
こんな恐ろしげな夏の雲も登場してました。
そうするとこんなありがたくないお客がやってきます。
ハンミョウ、テントウ虫、カメムシといった悪臭プンプンの奴らが飛んで来て、我が西多摩の桧原工房の建物の陰になるような所にびっしりと張り付いています。

ぞっとする光景ですが、彼らから見たら通勤風景の電車の中なんて身の毛のよだつようなことと思っているかもです。

13メートルの生地を染める為のうなぎの寝床のような自作の染め場です。
いのししの子供である「うり坊」はまことにかわいいのですが、ソメリエの折角の畑をかき回し(ミミズが大好物らしいです)何ヶ月もの苦労を台無しにしてしまうので、
非情のこころで対処せねばなりませぬ。
この周囲に100メートル以上の鉄柵を作りましたが、戦いはまだまだこれからです。もっとてごわい「猿」共もいますし。




おやすみなさいませ。


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2011年10月13日木曜日

ビューン

気がつけば「夏」は終わっていました。
8月末からの、2400キロあまりを移動した5カ所の展示会が終了して、ただいまご注文いただいたものと次の発表に向けた作品とを染めているところです。

浅間山の姿とそのアップです。


富士山も拝めました。(富士吉田から)
夏はなかなかはっきりとは登場してくれないのだと言いますが、甲府でも善光寺さんのお堂の彼方に少しだけ見えています。

台風が通り過ぎたあとだったので夕焼けが異様でした。


さて「表題」の「ビューン」ですが、iphon,iPad等で雑誌や新聞などを「ちょい」見するためのアプリです。
重いだの、雑誌数が40いくつしかないだの、全ページ見られないだの言われてますが、おそるおそる小生のiPadにて試してみたところ「いけます」!!
初期のダウンロードに耐えればあとはちらちらと不要不急のあれこれを(月450円で)山のように手に入れる事ができます。
突っ込んで興味をもったら、当の雑誌や、より詳しいものを探索すればいいのです。

実は、朝日新聞の電子版が春に登場し、七月までの無料期間というのをiPadで試してみたのですが、結論から言いますと多分ソメリエはこの先電子新聞は一生使う事がないだろうなぁ、ということです。一般の新聞で得られる程度の情報はネットでかんたんに探す事ができますからわざわざ有料で(3000円以上出して)契約するまでもないと言う感じです。アナログの「紙」新聞はいろいろと重宝します。特に染色の手助けには必須アイテムです。焼き芋も包まなくてはいけないし・・・。
これを無くしてまで(目の疲れる)ディスプレイで見る必要はさらさらないなと。

ホントの話し、新聞を猛スピードで画面の端から端へとサーフィンのように楽しむ時間はなかなかのものだったのだと改めて思いました。

その「チョイ」見程度の願いを叶えてくれる「コスパ」のいいツールが「ビューン」というわけです。

タブレット端末のすごさはじわじわときていますが、
ソメリエ、目下のところこのビューンが一押しです。

蛇足ながら・・・。
ネットは大変な発明であります。
しかし例えば「辻が花」で「ググる」と小生のブログサイトが何十万件かのトップに出てしまいます。もっとも時々消えてなくなったり、wikiがトップだったり、辻が花という料亭やら、辻が花という新潟のラブホに抜かれていたりしますが。いずれこのへんの「謎」は書いてみます。
さて、この何十万件のうちの何百件かを全部読んだところで「辻が花」に関してディープな知識は得る事が出来ないと言うのも事実です。
国会図書館が進めている、全書籍の内容の電子化が完成したとしても、やはり「知る」ためには何か別の道が必要なのだと思います。


アップルのスティーブ・ジョブズは同じ歳でした。
彼我の恐るべき隔たりはともかく、
この十数年たっぷりと楽しませてもらいましたよ。

中国の学生が作ってしまった追悼の「リンゴマーク」が評判のようですね。



最後に本業のことを。
お求めいただいた辻が花の着物と帯のコーディネイトです。
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2011年9月8日木曜日

茗荷


夏の終わりの富士山です。此の一日だけ姿を見せて前後は大嵐、特に後半は台風12号の洗礼で大変な状態だったようです。富士吉田から。
此の夏も二日間だけ休んで(その二日は畑をやりましたが)あとは制作の日々でした。
わたくしの好きな花、鷺草・カラスウリ・白木蓮そして花と言うかなんというか茗荷の「花」。
今年はヘンな天候が彼らには幸いしたようで、
売る程採れてしまいました。
薄暗い、ざわざわと葉の群生した中にこの白いドレス姿を見つけるとちょっとドキドキしてしまいます。
夜咲いて「蛾」をおびき寄せて花粉を運んでもらうのだとか。


新宿の工房は連日生地のオンパレード。

ひとつだけ辻が花の袋帯を。
他のはもうひとつのブログで御覧下さい。
夏の終わりが物悲しいというのは、やっぱり「生き物」としての盛りを過ぎたイメージとダブらせてしまうからでしょうが、しかししかしやはりもう近年の酷暑は勘弁、
秋のコンディションが嬉しいですよ。



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