2010年7月21日水曜日

紫根

ニホンの皆様、なにか凄いアッツイと聞きましたが、37度っていったいどんな感じなのかしらん。
こちらはこれからマイナス40度とかが当たり前の季節に向かっているとこです。
あたしたちの世界は皆さんの言うブルーからパープルって感じが支配するようなイメージですけど、パープルってそれぞれの人が思い浮かべるイメージに凄く違いがある色だって聞きました。


東京の「シルクギャラリー」さんは「ディープブルー」で有名だって聞きましたけど、お暑いのにご苦労さんです、
ムラサキの方もがんばってみてくださいな。
以上南極より漁業通信員のお二人でした。



どうも。
ここから灼熱の東京です。
「紫根」がブームとかで、一般の方も「色」を巡るあれこれに関心を持っていただくのは凄くうれしいです。
特に日本人は「五十茶百鼠」なんて言葉がありますようにごくごく一般的な方でも「ベージュ」「グレー」の微妙な違いを嗅ぎ分けていただけます。それも50種類100種類も。 そんな「色達」のなかでもムラサキは特に不思議な曖昧さを秘めた色なのではないかと思います。
上のカラーチャートのいくつかなんてホントにごくごく大雑把で、例えばこんな感じを見ていただいただけでも「ムラサキさん」の守備範囲の広さをおわかり頂けるかと思います。工房では日々「色」と格闘しているのですけど、ふたつ前のブログで紹介させてもらったような「カラーパレットの帯」を展開してまた不思議な色の世界をお見せできる日も近いかと思っています。


さて、15年目に突入した山のアトリエの建設もいよいよ最終段階に入って来ました。相変わらず遅々としたあゆみですが、確実に進んでいってます。
杉、檜300本余の伐採と「始末」そして道路作りだけで五年、本体にかかりだして10年になるわけですが、その当時に今ある「知恵」が自分にそなわっていたら、と思うのですがあとのまつり、修正しながら進むしかありません。
しかし四苦八苦して身に付けたささやかな「知恵」の持って行き場はどうしたら良いのでしょう。もう一個作りますか? 結構そのつもりもあるのですが・・・。




please click
にほんブログ村 ファッションブログへ

please click

2010年7月13日火曜日

つかこうへい

一日4-5箱はないだろうに、つかさん。
煙草というものは相当な負担を体に掛け続ける習慣。
東京都下では条例で落ち葉焚きすら禁止されるようになってきましたが、山のアトリエではそんなことは言ってられないのでトイレやらの紙の始末も含めて焚き火は日常茶飯事。「燃やす」ということがあると30メートル位離れていても即座に分かる。そのくらい燃焼によって生ずる物質は強烈。煙草の葉の成分云々ではなくて、すでに此の「小さな焚き火」が相当な負荷を体に与えるわけです。ソメリエは小劇場系世界から「足を洗い」染色の世界に弟子入りしたときすでに25歳、喫煙歴OO年。ぎりぎりで生活していく日常に「月小一万」の煙草代はありませんでした。これ幸い、禊の意味も込めて煙草からもおさらばしようと思い、金銭的に不可能であった故、見事足を洗ったのでした。その後自分でギャラリーを建てたり、杉、檜を300本以上切り倒してログハウス的なアトリエを作り上げるにあたって、「肺」が綺麗になっていたというのは行幸でした。ごく稀に手伝いの友人達も顔を出したのですが、愕然としたのはその中の喫煙者のあまりの体力のなさでした。畑も手伝ってくれる者もいたのでしたが、「気が利く」女性程にも動けない有様。
こんなんで良いのだろうかと・・・。

肺がんで逝ってしまったつかこうへいの言葉で一番頭に残っているもの。
「舞台に上がれば客は三秒で見破る」

何をって? その役者の底の浅さをたちどころに感じてしまうのであります。小手先のことはなにをやったって駄目。
小細工も演技の勉強も意味をなさない。
何かを表現しようということは、こちらの内臓から脳みその中身までさらけ出し恥をさらすこと。
その覚悟は?

多分あのころの「小劇場」は「覚悟」についてのあれこれをめぐってうろうろしていたのではないかと思うのです。正直なところ、つかこうへいの舞台はソメリエにはちょっと肌合いの合わないところがあって自分のランキングでは高くはないのですが、あの過剰さはいったいなんなのかというひっかかりは常にあったのでした。後につかさんの在日二世だとの告白を聞いて、かなりの部分で合点がいったのでした。

それにしても、長きにわたる覚悟、志の持続。
10万本に成るのではないかという煙草と引き換えの思考。
若くしての見事な表現の完成度。
駆け抜けることのできた人間に畏れを抱きつつ、
わたくしは日々カタツムリの歩みをするしかないのです。
つかこうへいの在りし日の一撃の文。某所よりの引用ですが。

世の中の慌ただしさに紛れてどさくさ的に言ってみます。

長い長い時間をかけるしかない世界の虜になってしまった
若者は、その甘美な誘惑と夢に破れるまでは突き進むしかないのでしょう。例えば音楽だったり、舞台だったり、ダンスだったり、小説だったり、絵だったり。海外協力隊や医療ボランティアやお寺での修行や、あれこれあれこれ、枚挙にいとまがありません。金銭的な損得からかけ離れた世界に生きる道を見つけようとする人間は、誰に止められようがそれしかないかのようにやってしまいます。
最近若い人達と話すと、かえって昔よりこうした「意味」に生きる人が増えて来ている様な気がします。意味を見出せないと「うつ」的な世界に入らざるを得ないかもしれません。そしてどう現実世界と決着をつけていくかが最大の難問なわけです。
そんな意味で月7万とか8万の最低生存費を全国民に一律に配ってしまおうというベーシックインカムはあながち白日夢の夢物語とは言えない気がします。
民主党がこけた最大の理由が、消費税への所得保証という
実現不可能な制度を唱えた事だと言いますが、線引きの300万なり400万という個人所得の把握なんて出来る訳が
ないというわけです。(フランス始め諸国の失敗例からしても)一年前に1万なんぼかバラまいた党が民主党のやり口の失態をあげつらう間抜けさかげん。
かたやできもしない手当を公約してしまう大甘なおひとよし達。
目眩がしてしまいますよね。
実際の給付に関わる行政窓口の多忙を考えても、一体21世紀にもなって何をしているのかと思ってしまいます。
夢物語のようなベーシックインカムが、実はかえって早道だという逆説を少しは考えてみてもいいのかもしれません。少し前まで唱えていた田中康夫はどうしたのでしょうか。小生の高校の二年後輩、長野の知事を追われてしまって、あのばかばかしいまでの荒唐無稽さの持って行きようはあるでしょうか。
「小役人」的な候補者ばかりの中であのちょっと人間離れした感覚は貴重ではある気がしますが・・・・。

脱線してしまいました。
少しエリを正します。

ソメリエの生きて来た染めの世界、
とりあえず10年間、と言われましたが10年くらいで何とかなる話ではありません。そして憎らしいことをいうようですが自立支援とかで職業訓練校に三ヶ月通う間の補助金、なんてありますが今時半年くらいで役に立つスキルなんてあり得ないでしょうに。

農業を志す若者や、意識的な転職希望者が増えていると言います。これも数年は無収入を覚悟しなければ成らない世界、しかも自然相手、努力が必ず結果に反映すると言う保証はありません。

大袈裟な「政治」を床屋政談のように語るつもりはありません。上記の二つは生身のソメリエがすこーしだけ分かっている世界の話です。
うまくいっていた良き時代に自分たちが決めた退職金や年金を確保して、逃げ切ってしまった大人達とは、今戦っている若い世代は決定的に違います。ベーシックインカムなんかで金が入ればナマケモノが増えて社会が乱れるなんて言う人がいますが、なんと「人間」というものをわかっていないのでしょうか。何パーセントかはそんな人もいるでしょう。
しかしどんな制度設計をしたところでロスはあります。

それより、月数万円あれば最低限に生きて、「意味」で生きて行ける「若さ」という時代があるということを優先して考えられないものでしょうか。「意味」を追い続けているうちに自然と「スキル」と「覚悟」が身に付いて行きます。「中途半端な才覚よりは誠実な一歩一歩を」というところです。

中国の人民公社や旧ソビエトのコルフォーズなんかの失敗例を出す人もいます。たしかに集団農業は駄目だと思います。しかしベーシックインカムは自己責任の「個人単位」だというところが単なるばらまきとは違うのではないでしょうか。

GDPの大半を占めるという個人消費、ひとりひとりが小さな「意味」を見出して行ければ、積み重ねは巨大だという気がいたします。

以上わたくしの狭い世界から考えたあれこれを、
小劇場というチョー非生産的な現場を駆け抜けたつかこうへいが世を去ったどさくさに紛れて書かせてもらいました。



please click
にほんブログ村 ファッションブログへ

please click

2010年7月2日金曜日

ポアンカレ予想 リーマン予想

リーマン予想解決!」の報がまたもや流れ、折しも日本国営放送がこの件のスペシャル番組を再放送したタイミングの良さに2chやTwitterでは大騒ぎか、と思いきや、RiemannとLehman Shockがごちゃまぜになっていたり#(ハッシュタグ)が日本語で出来ないことから素直に捜せなかったりと,一体どこが騒いでいるのですか?と思っていましたら,もう一つの宿題「ポアンカレ予想」を解いてしまったロシアの数学者グリゴリー・ペレルマンさんがフィールズ賞に続きミレルマン賞を正式に辞退して賞金9000万円もいらないという報道がなされていたのでした。驚いたソメリエはこの数学史上の「超難問」の解決を祝して、染色的なイメージでのアプローチを試みるという暴挙に出たのでした。わたくしはこの種のことが大好きなのです。「フェルマーの最終定理」がホントに最終的に解決された1995年にもさっぱり解らないなりにいくつかの入門書を買い込み、やはり怪しげなイメージの染色作品を作ってお祝いしたのでした。

すみません,お騒がせしました。
本日の3点は東京目白の「花想容」さんのブランドとして
作り続けている名古屋帯、題して「カラーパレット」のご紹介です。この作品は本当にいろいろなイメージを喚起してくれるのですが、今回は特にタイムリーに数学世界の
どきどきする話題に思いが至ってしまったものですから。

リーマン予想の解決の先にあるとされる「素数」の世界の解明と、「量子力学」やら「宇宙論」とのリンクという胸
踊る得体の知れなさには、大げさに言えば「人生の希望」なんてことさえ感じてしまいます。

そう言えば、13、17という素数。
13年蝉、17年蝉、俗に言う「素数ゼミ」、今年はアメリカでは登場しないようですが、これとても何万年に渡る「神の御業」とでも言うしかない不可思議な現象で、日本だと7年で出てくるセミさんたちが、素数である13年とか17年もかかって出て来るという奇跡によって淘汰を勝ち進んできてしまったということらしいです。
そしてなんと70億匹が、たった一週間だけ鳴き続け,子孫を残して去っていくという白日夢のような世界。
2007年の時の映像

ちなみに北米では低脂肪・高タンパクの健康食として食べることもあるとか・・・・。17年に一回だけ誕生日が来て長生きできるようになるなんて。



お別れは山のアトリエのクリの木にしがみつく「アブラムシ」たちです。一体なにをやっているのでしょう。そして「コイツら」目指して昼も夜もアリたちが何かを運び続けています。
人間のあずかり知らぬところで、「事」は
進んでいくのです。


あっと,忘れていました。
オシム爺の言葉、「PK戦は誰かが失敗するまで続くゲーム。失敗者を必ず出す残酷なくじ引きです。何も恥じることはありません、あれはサッカーではないのだから」


please click
にほんブログ村 ファッションブログへ

please click