2013年7月11日木曜日

銀河とオーロラの振袖

前回三枚目の写真の振袖引き着の展示姿です。
 こちらは更紗の訪問着と帯の着装コーディネート姿。
 さていよいよ夏が来てしまいました。
稲垣足穂の詩にある「麦藁帽子と、半ズボンの太ももが擦れ合う絶望的夏休み」。
あの菫色の、いつまで続くかわからない不安な、けれどもだれにも侵されない別天地だった少年の日の待ち遠しい「夏」はもうありえません。
一刻も早く過ぎ去って欲しいと願うのですが、
それは確実にあちらへの駆け足となってしまうわけで・・・・。

熱帯夜へ誘う怪しげな夕景でした。

すこし前にお邪魔した信州北部のワンショット。
しばらくホリエモンの「別荘」だったところです。
ここでの二年弱で30キログラムほど減量したそうで、
出所後の対談で西原理恵子嬢が、そんなに減らせるのなら是非わたしも入りたいと宣っていました。

絶対の夏休み、本当の休暇は訪れるでしょうか。
相変わらず個展に向けて爆走中です。




11月末の個展のご案内です





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2013年6月18日火曜日

七夕の着物

 もうじき七夕。
シルクギャラリーの星空つながりの作品、いくつかのオンパレードです。
ディープブルーの世界が炸裂。
着物、帯、帯締め、帯揚げすべて当工房のオリジナル。
ここにさらに草履、バッグ、ストール、長襦袢が加わることもあります。

 オーロラの振袖
 銀河とオーロラの振袖
 こちらは訪問着



おまけです。
ソメリエは山も好きですが、海、特に離島が大好き。
今年は個展で目の回る忙しさで駄目ですがいつかここへ行ってみたい!!

東京都青ケ島です。
八丈島のはるか南、絶壁に囲まれた孤島。
ではまた来月。梅雨は明けているでしょうか・・・


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2013年5月23日木曜日

エーゲ海

 少し以前の作品です。
「エーゲ海」という題名をつけています。
大理石の模様を海に見立てて、ろうけつ染めにバスレリーフという技法のシルクスクリーン併用の染めです。実はエメラルドグリーンとピオニー色のぶっつけがテーマです。

こちらはアールヌーボー風の模様を帯に染めたとき、余分に作った生地を使って作ったバッグです。鼻緒もついてます。











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2013年4月28日日曜日

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年


  少し前の北アルプス・常念岳の夜と朝のお姿です。
展示会ツアーの最中。
そしてまたまた例の村上春樹騒動が起こってしまいましたので、
えい仕方ない、乗り遅れないうちに見ておこうとやっぱり読んでしまいました。

ソメリエは彼の熱心なファンかどうかはわかりません。
でも半分くらいは読んでいます。
此の度のはきっと掛け値なしで素敵だと思います。
1Q84は陶酔的で幻惑的なひと月を過ごせるとは思いますが、
万人向けとは言えないかもしれません。

でもこれは・・・・。
独断ですが「刻・とき」、時間と書くとどうかとは思いますが、
ともかくそんな「なにか」を表したとてもとても優れた物語りだと思います。

蓮實重彦氏の言い分だと「ハルキの小説は結婚詐欺」となってしまいますが、
そして田中康夫氏だと「女の子は顔じゃないよ、心だよといった小説好きの女の子を安心させる小説」と身もふたもないのですが、
でもちょっとどこかで「だまされてみるのもいいかも」と思っているあなたは、
そろそろ本屋に溢れてくるでしょうから読んでみてください。

16章の最初のほうに
「世の中には女性の姿を通してしか伝える事のできない種類のものごとがある」
という一行がありました。主人公つくるくんが昔の「友人」エリにフィンランドの地で16年ぶりに再会するシーンです。

ソメリエは、何と申しましょうか、「そんな事」のお手伝いをして「とき」
を過ごしてきたのだと、もやもやと燻っていた思いを言語化してくれたハルキさんに感謝する次第です。
彼は64歳ですが、憎いというか、こんなナイーヴ至極なことを紡ぎだして
世を惑わしてしまってと、まったく罪作りです。

多分若い女性から見たら、鈍感が服を着て蠢いていると思われっ放しのお父さんたちの中にもきっとこの小説を読んでわなわなと震えるヒトもいると思いますよ。

昔読んだ本で小野寺誠と言う人の「あの夏フィンランドで」という彼の地の女性との結婚と、子供を置いての痛切な別れを書いたものを思い出しました。
「かもめ食堂」といいフィンランドという国には何か蠱惑的なものがありますね。

文中の一節から。
森の中の「悪いこびとたちにつかまらないように」


さて最近の作品の中からいくつか紹介させていただきます。
まず 帯「雨に唄えば」

 絞りの「松」



定番の辻が花


辻が花訪問着のコーディネイトをふたつ


北国でも桜の季節が過ぎ去ろうとしてます。









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2013年4月5日金曜日

着物のコーディネイト

 最近のコーディネイトからいくつか紹介させていただきます。


 下は当工房の定番の「墨線辻が花」のひとつです。

四月のふたつの展示会に向けて連日の猛作業です。







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2013年3月10日日曜日

空襲と3.11と


3.10 本日も工房にて作業中です。
「藤の花」が全面に流れ落ちるような訪問着の三部作を作っています。すでに去年の初秋から取りかかり、漸く明後日ひとつ完成。
どうなることやら・・・・・。

さて、今日と明日は特別な佇まいの日。
「染め」と言いますか、「物作り」と言いますか、ノーテンキに一心不乱にやっていますと、それはそれは浮き世を忘れてしまうくらい楽しいこともあるのですが、そう言っていられるのも、「あした」という世界を疑わないからこそ。
ちょっと正気になってしまうと情報の洪水の中で、「直感」
だけではどうにもならぬ世界がばっくりと口をあけているような気がいたします。

惑ろっこしく書きましたが、ウェブの進化はめまぐるしく、最近では「キュレーションサービス」なんてのが発達して、こちらの足跡やら気配を察しまくってこんなことをしてくれます。 たとえば
http://gunosy.com
これは一年ほど前、東大大学院所属の三人の方が立ち上げたもの。こんな感じです。
http://engineer.typemag.jp/article/gunosy

ソメリエがちょっとでも原発やら福島の記事を閲覧しようものなら、翌朝にはずらーっとそれに関連した記事を並べて紹介してくれちゃってます。

で、そんななかの一つがこれ。
一応取捨選択した中で「良質」と感じられるものですので、
よろしかったら読んで、混乱してみてください。

http://d.hatena.ne.jp/masa_cbl/20130308/1362762011

さてソメリエのパソコン、iMac、1998年登場の初代おむすび以来三代目なのですが、それがハードワークが祟ったのか寿命なのか、暮れから不調でアップルのサポートで何度もお世話になり修復を試みてきたのですが、ついにハードディスクの交換ということにならざるを得ませんでした。
パソコンが仕事の根幹と言う方だとバックアップにもう一台用意するのは常識らしいですが、ソメリエは基本作業はチョーアナログなのでそこまでしなくてもと「油断」していたのでした。バックアップ外付けHDDも一台だけで。

本当に大変な目に会いました。
通常レベルを超えてサポートしてくださったアップルのサポートの方には本当に感謝すると共に「バックアップ」の重要性が身に沁みたのでした。

問題の規模は違いすぎるのですが、上記の「原発」を巡る様々な立場の中で、いずれにせよ「バックアップ」に関してはどんなに用心してもしすぎることはない事は骨身に沁みたのでした。

最後にひとつ、もう何年も心に引っかかっていて、ディスプレイの隅に貼付けておいたクリップを、(今回のハードディスク昇天で飛んでいってしまったのですが、復活させて)ひとつ紹介させていただきます。
1945年の今日、東京はアメリカ軍の焼夷弾の雨に打たれ、広島242437人、長崎137339人と言われる死者に匹敵する死体の山になったそうなのです。

http://www.japanairraids.org/?page_id=671

長々とお読みいただきありがとうございました。








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