2013年4月28日日曜日

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年


  少し前の北アルプス・常念岳の夜と朝のお姿です。
展示会ツアーの最中。
そしてまたまた例の村上春樹騒動が起こってしまいましたので、
えい仕方ない、乗り遅れないうちに見ておこうとやっぱり読んでしまいました。

ソメリエは彼の熱心なファンかどうかはわかりません。
でも半分くらいは読んでいます。
此の度のはきっと掛け値なしで素敵だと思います。
1Q84は陶酔的で幻惑的なひと月を過ごせるとは思いますが、
万人向けとは言えないかもしれません。

でもこれは・・・・。
独断ですが「刻・とき」、時間と書くとどうかとは思いますが、
ともかくそんな「なにか」を表したとてもとても優れた物語りだと思います。

蓮實重彦氏の言い分だと「ハルキの小説は結婚詐欺」となってしまいますが、
そして田中康夫氏だと「女の子は顔じゃないよ、心だよといった小説好きの女の子を安心させる小説」と身もふたもないのですが、
でもちょっとどこかで「だまされてみるのもいいかも」と思っているあなたは、
そろそろ本屋に溢れてくるでしょうから読んでみてください。

16章の最初のほうに
「世の中には女性の姿を通してしか伝える事のできない種類のものごとがある」
という一行がありました。主人公つくるくんが昔の「友人」エリにフィンランドの地で16年ぶりに再会するシーンです。

ソメリエは、何と申しましょうか、「そんな事」のお手伝いをして「とき」
を過ごしてきたのだと、もやもやと燻っていた思いを言語化してくれたハルキさんに感謝する次第です。
彼は64歳ですが、憎いというか、こんなナイーヴ至極なことを紡ぎだして
世を惑わしてしまってと、まったく罪作りです。

多分若い女性から見たら、鈍感が服を着て蠢いていると思われっ放しのお父さんたちの中にもきっとこの小説を読んでわなわなと震えるヒトもいると思いますよ。

昔読んだ本で小野寺誠と言う人の「あの夏フィンランドで」という彼の地の女性との結婚と、子供を置いての痛切な別れを書いたものを思い出しました。
「かもめ食堂」といいフィンランドという国には何か蠱惑的なものがありますね。

文中の一節から。
森の中の「悪いこびとたちにつかまらないように」


さて最近の作品の中からいくつか紹介させていただきます。
まず 帯「雨に唄えば」

 絞りの「松」



定番の辻が花


辻が花訪問着のコーディネイトをふたつ


北国でも桜の季節が過ぎ去ろうとしてます。









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