2016年12月3日土曜日


本当に全く曇りの時間がないという「ピーカン」の日がついに一度もないこの春夏秋でした。
常に雨のことを心配しなければいけないという、「滝ぼかし」を外で染め作業する身としてはなんとも辛いシーズン。

この右手の細長い全長14メートルの染め場は雨の心配はないのですが、ここで「薄い」色の反物を染めています。
今回作業していると屋根上が何ともドカドカとうるさい。
鳥にしては大きすぎる音なので、外に出てみると何と、猿どもが踊り狂っているかのように無法地帯になっているではありませんか。
以前からこの屋根をトイレがわりに使って、証拠を点々と残してくれていたのですが、現場に遭遇したのは初めて。

本日は今年としてはよく晴れた日だったので奴らも気分良く出てきたのでしょう。
しかしせっかく作っている野菜をおもちゃにして痛めつけるので、シャレにならない怒りが。
ごらんの鉄柵は外側斜めに張り出したように作った「猪」対策のものですが、猿にはこれは通用いたしません。

「ブラブラ柵」を作らなくてはいけません、100メートルにわたって。しかし今のソメリエにはそんな時間がなくて・・・・。

画面中央が今まさに逃走せんと、柵を乗り越える犯人です。
アップ画像が下です。


さて、新柄の辻ヶ花の帯です。この組み合わせでお求めいただきました。





全く同じものは二つと作らないようにしている当工房です
が、「ディープブルー」シリーズの振袖はおかげさまで大変好評で、様々なマイナーチェンジに挑戦して、いろいろなディープブルーファミリーを生み出しています。
今回の新作の辻ヶ花バージョンのこの振袖も、先日無事嫁いで行ってくれました。
新作のクリムトの織り帯とのセットで。



慌ただしい年の瀬、どうぞお体大切に。
ごきげんよう。


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2016年10月19日水曜日

イゾラド

 ここ何日か9月のような陽気が続いて暑いくらいです。
でも山の工房はすっかり秋、夜は寒いくらい。
今年はついに夏以降、唯の一度も絶好調のお天気加減になったことがありませんでした。
染め屋殺すにゃ刃物はいらぬ、雨の三日も続けばよし。
ホントにうんざり。 
要は「湿度」の問題なのですが、これが染め上がりにすごく影響してしまうのです。
今頃になっていい具合になったって遅いわい。

人間の都合に良い按配になんて、なかなかなるものでなし。
何年やってもため息のでること多し。
アンコントロール。
とても不惑だとか悟りだとかにはたどり着けるものではありませぬ。
よくTVの手仕事モノとかで「なんとかを知り尽くした達人」だの「鉄人だの」とナレーションされますが、もういい加減にああいうのやめませんかね。
おバカの極み。
 三日月が可愛く光っています。
杉林の中に屹立するというか、垂れ下がる我が「滝暈し」の13メートルの勇姿です。

 函館までのハヤブサ号に引きづられて、秋田へ。こまち号に初乗り。盛岡で離れ離れになり、鹿が出たり、信号待ちとかでとても長閑な新幹線。
連結部分はとてもスマートで、仲良しのフレンチキッスみたい。



「殺処分」間近なワンショットだそうな。

小生、トイプードルを五年前にペットショップで求めてしまったことが、自分の不明さの象徴のようで恥ずかしい。
中学生までに何頭か飼ってきたものの、ふるさとを離れてからは一度もそういう気にならず、もう悲しい思いをせずに済むしやれやれとやり過ごしてきたのに、引っかかってしまった。
「知らなかった」では済まされぬような、これも「知恵」の足りぬ生き方のひとつだと後悔。
諸外国では動物はペットショップで商品のようには流通させないことが趨勢だというのに。
ペットフェアとかで、バックヤードに一体どれくらいの「商品」が用意されて、苦痛に耐える生き物がいることか。

安易なブリードで、弱体化していく犬種もいくつもあるということ。

アマゾンの原住民の人たちも開発ですみかを追われ、「文明」との衝突に至り、小さく孤立していくうちに、遺伝子の多様性が薄れて例えば「イゾラド」と呼ばれる人たちは、皆同じような顔形になっていき、おそらく数年のうちに(数十年ではなく)絶滅していってしまうと言います。

小池東京都知事は「殺処分ゼロ」なんてことも公約に掲げてます。
いいも悪いも少しずつしか進まぬ日本の社会。
少しでも「まし」になっていくことを願いつつ、自分にできることは何なのか。
分からなくとも、少しだけはやってみたいと思います。

それにつけても、「犬」を食す文化の背後には鶏舎のようなものが存在してしまうこと。ひいては肉食文化への微妙な思いまでいってしまうあれこれ。
あちらの人々が、イルカやクジラを食すこちらへの嫌悪感を抱くこと。
60を超えても未だこれらのことを、例えば孫が聞いてきたとしても明確に答えられるかはこころもとなし。

物言えば唇寒し秋の風


明日からは信州に行きます。



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2016年9月4日日曜日

100色100反 色無地

 昨年五月の「わーと日本橋」での100色100反の色無地展示の光景です。
会場の片側、暖色薄い色中心の50反です。
展示の為に昇降機を5メートル、上がったり下がったりを繰り返したのが、もう1年半前。個展からももうじき3年、さて次に何をお目に入れることができますか。
 こんなふうに展示場所に応じて、コンパクトにディスプレィしたりしています。
 100の色を100の反物でアピールしている方は日本でも三人といないようですが、
小ぶりな生地で色見本とされている方は多いようです。
しかしいずれもかなりビビットな色選びのようで、ソメリエのようなグレィシュで柔らかな選定はあまりないようです。
どうぞ会場にてお手に取ってシルクギャラリーの100色をお楽しみくださいませ。


 下は某工房の50色です。

 ウチのも並べ方次第でこんなふうにもなります。

ではまた。
御機嫌よう。





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2016年7月22日金曜日

モアイの思案

 今年も8月が巡ってきて、セミの声をバックに多少は他の季節より「戦争」のことが語られることでしょう。  作家の赤坂真理さん(52歳)の「東京プリズン」は、たかだか戦後70年経ったくらいであのような凄まじい世のことが忘れられていくなどあって言いわけはない、という思いで書かれたそうですが、小生より10歳も若い女性がそのような思いでいるということに粛然たる気持ちになります。

いくら考えても理解などできないこと、例えば日本の武器輸出関連の金額は今や世界のトップ10に入っているなんて・・・・。
かたや、優秀な建設機械の技術を生かして巨大な地雷除去装置も作られ、近々ではドローンによる撤去も実現されていくとか。
しかし供給は果てもなく続き、テストの場を求めてハイエナのような動きも。

以下の写真はいつの世のことだと思われますか?
終戦翌年の1946年とあります。あのような恐ろしい現実が過ぎてすぐ。
ひとの回復力の凄まじさよ。 ホントに死んでしまってはつまらないですね。





浮世に生きる私たち。

新しい細帯です。この後も次々と作っていきます。






そしてご要望にお応えしてドレスも少しずつ。



ではごきげんよう。



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2016年6月1日水曜日

女性兵士


      





 中華女性兵士の勇姿です。25x14+2で352名の選抜された精鋭。
美しいといえば美しい。

目の前に現れたら、見とれているうちにこちらはあの世へ行かされてしまうでしょう。
こちらはシャレとしても、現実にアフリカなどに自衛隊員が派遣されたとしたら、洗脳された少年兵に攻撃される悪夢、年端も行かぬものの機関銃を向けてくる相手を殺傷しなければいけなくなる狂気。
或いはロボットに代用された「敵」にやられてしまうという茶番。
そのようなことがいよいよ現実のこととして立ち現れる展開が訪れてしまいました。
人類は行きつ戻りつ、ほんの少しずつは「野蛮」で絶望的な世界から、多少マシなところへは向かって行っているとは言います。
わたくしが生きているうちにはとても無理ですが、後200年か300年もしたら、少しは日本以外の土地でも「平穏」がやってきているやもしれません。

旅先で目にする日本の美しい風景を見るたびに、なんと恵まれたところと時代に
(取り敢えずはですが)生きていられるものかと思うのです。


山形県は月山のお姿 

 新潟県糸魚川の夕景。
何十年か前、あの国が散歩していた人を連れ去っていった現場はこのようなところ。



東京駅に戻ると、こちらはこれはこれで美しいかもという情景。
駅隣の「キッテ」という郵政省由来のビルの屋上は大きな庭園風になっていて、
手軽に東京の高層風景が見られてオススメです。

ではまた。
御機嫌よう。



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2016年4月12日火曜日

木蓮


 あちらこちら飛び歩いて山の工房に戻ってまいりました。
霊峰富士のお姿。


こちら甲斐駒ケ岳


 東京の平地はもうとっくに散ってしまった木蓮が。





 こちら土佐水木。あれこれ一気に咲き乱れ始めました。

 ホトケノザ

 ハナニラ

 キブサスイセン



 冬を越した柚子の木。

すみれ

やっと乾くようになってきた廃屋の臨時染め場で相変わらずの極濃い地染めです。

一気に駆け抜けてまいります。

ではまた。ごきげんよう。



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